円錐角膜
円錐角膜とは
角膜は眼をカメラに例えるならば、レンズの部分に当たります。円錐角膜とは、角膜の中央付近の厚みが薄くなることで角膜が前方へ突出してしまう病気です。角膜が前方に突出すると、近視と乱視が強くなって視力が低下してしまいます。通常は両眼に発症し、左右の眼で進行の程度に差があることが多いです。
男性に多く、主に思春期頃に発症し、30歳を過ぎる頃に進行が停止することが多いです。しかし、大人になってから発症して30歳を超えても進行し続ける人もいます。原因は今のところ不明ですが、喘息やアトピーとの関係も報告されています。
また、角膜の突出が強くなりすぎると、角膜内のデスメ膜といわれる部分が破裂して角膜内に水が溜まります。これは「急性角膜水腫」といわれ、痛みを伴って角膜が白く濁ります。通常は2〜3ヶ月で自然に治りますが、混濁が残って視力が低下することもあります。
治療について
治療は軽度の場合の屈折矯正はメガネやソフトもしくはハードコンタクトレンズの処方が可能です。角膜不正乱視が強く、メガネでの矯正が不可能な場合は、ハードコンタクトレンズを処方します。コンタクトレンズが不可能な場合は角膜移植が施行されます。近年は角膜移植の前に角膜リングを挿入する処置や、進行予防の目的で角膜クロスリンキングも行われております(角膜内リングや角膜クロスリンキングは保険適応外の治療です)。また、90%以上の方でコンタクトレンズ装用が可能ですが、中等度以上の方では特殊なレンズの調整が必要です。
特殊コンタクトレンズ処方外来
当院では円錐角膜の特殊コンタクトレンズ処方外来を開設しております。
特殊レンズはレンズの専門家と視能訓練士が、一人一人に合わせて調整して注文することが可能です。また、処方後のケアも充実していますので、お気軽にお問い合わせください。